便の色や形で分かる
身体の変化
便秘や下痢だけではなく、便の色や形状は消化器官の健康状態を確認できます。日々の健康状態を把握するほか、病変の早期発見にも繋がることがあります。そのため、ご自身の便の色や形などを確認する習慣を付けることが大切です。
健康な便って?
「健康な便」の状態とされるのは、以下のような便です。
- 茶色や黄土色
- バナナ型の形状
- 1度の排便で1~3本の便が出る
- 強くいきまなくても排便できる
消化管通過時間
非常に遅い 非常に早い |
①コロコロ便 | 硬いコロコロとした便、ウサギの糞に似た便 |
---|---|---|
②硬い便 | ソーセージ状のように見えるが硬い便が繋がっている状態 | |
③やや硬い便 | ソーセージ状であるが表面にはひび割れがある状態 | |
④普通便 | 柔らかいソーセージ状、滑らかで蛇のようにとぐろを巻く | |
⑤やや柔らかい便 | 半固形状の柔らかい便 | |
⑥泥状便 | 不定形の柔らかい便、境界がほぐれた小片便や泥状 | |
⑦水様便 | 水のような便で液体状、固形物を含まない |
便のチェックするべきポイント
排便回数
1日に3回の排便、または1週間に3回の範囲内の回数であれば異常はないとされますが、排便の回数は個人差があります。
便の量
見た目ではバナナ1本半から2本程度、重さでは平均100~200/g程度とされます。ただし、食べる量や種類によって異なるほか、便の重さを実際に量るのは困難なため、だいたいの目安となります。
便の性状
半練り状で、なめらかなバナナのような形状が健康な便とされます。逆に、硬くてコロコロしている便や、ドロドロと形状のない柔らかい便の場合は注意が必要です。また、便に血液が混ざっている場合は、速やかに受診してください。
便の臭い
健康な便でも臭いがありますが、ご自身ではそれほど悪臭に感じることはないと思います。動物性たんぱく質を多く摂取した場合や運動不足の場合、過度のストレスがかかっている場合、直腸がんなど何らかの腸疾患がある場合には、強い臭いを発します。
便の色
健康な便の色は茶色~黄土色です。便の色の目安として、以下の表を参考にしてください。
便の色 |
考えられる原因 |
---|---|
黄色 |
牛乳の飲みすぎ・下剤による影響 |
茶褐色 |
食べ過ぎ・飲みすぎ |
黒色 |
鉄剤の使用、胃がん・胃潰瘍・十二指腸潰瘍など |
緑色 |
消化不良・緑黄色野菜などクロロフィルを含んだ食品 |
赤褐色 |
大腸ポリープ・大腸がん・潰瘍性大腸炎・クローン病・虚血性大腸炎・大腸憩室炎など |
鮮やかな赤色 |
|
灰白色 |
バリウム検査・膵臓疾患・肝臓疾患など |
こんな便には要注意!
病気が隠れているかも…
黒色便(タール便)
黒色でドロドロの便は、上部消化管から出血している可能性があります。ピロリ菌感染症や胃潰瘍・十二指腸潰瘍、小腸疾患などが疑われます。
赤い便
下部消化管から出血している可能性があります。切れ痔やいぼ痔・大腸ポリープ・大腸がん・大腸憩室炎・潰瘍性大腸炎・クローン病・虚血性大腸炎・肛門裂傷などが考えられます。出血している部位が肛門に近い程、付着する赤色が鮮やかになります。
灰白色(かいはくしょく)
白っぽい色の便を指します。主に、胆汁色素の流れが滞っている可能性があります。肝臓疾患・膵臓疾患・腸結核などが考えられます。また、バリウム検査後も白っぽい便になります。